2014年5月7日水曜日

iTunes Matchについて考えてみた(ライセンスフィーの考え方が変わる?)

ここ数日Twitterをはじめネット上でiTunes Matchに関する阿鼻叫喚が散見された。多くの原因はセットアップが終わらないとかそういう感じ。自分も例外ではなく、本当にパトラッシュが何回も顔を舐めに来ました。もうダメかも…と思っていると何回かやり直すうちにセットアップが終わった。
本当に自分はいつからこんなに我慢強い人間になったのかと感心するくらいコンピューター系のことについては粘り強い。時間も忘れます。
だから、朝はぁスーパーツラァァィ!(アサヒスーパードライのCMの口調で)

さて、このiTunes Matchだけれど普通に色々説明を見ていると機能的な説明がたくさん。

  • 自分が持っている低ビットレートの古いファイルもApple側で256kbpsのAACファイルに変えてくれる!(yey!)
  • 一度iCloudにアップロードしてしまえばPCのストレージが壊れてもいつでもiCloudからDLして復旧できる!(yey!)
  • 複数のデバイスで共有して再生できる!(meh)

こういうメリットが表向きにはありそう。
でも世の中悪い人も多いようで、

  • ネットで適当に拾ってきたMP3も高音質に変えてくれる!(yey!?)
  • お金払ってないのにしめしめ!(yey!?)

みたいなことを考える人もいる。で、それについて正義感たっぷりで記事を書いている人たちの多分ほとんどはMP3とかタダでダウンロードして聞いた経験があったり、今でも聞き続けてたりするんだと思う。悪いことしたことなければ、悪い人の考えなんか分からないもの。

それはそうと、表だけ見てるとこんな感じなのだけれど、裏には実はライセンス料に関する秘密があるっぽい。ちょっと凄いモデルだなって思った。

iTunes MatchしてファイルがAppleの提供するAACファイルになった時点で、Appleの管理するライセンスの範囲に自動的に入る。つまり、上で書いた違法サイトとかからダウンロードしたファイルを持っている人がiTunes Matchした時点でAppleに払っている年額3,980円の中から権利者にライセンス料が支払われる仕組みになっているらしい。
「ちょっと音質いいファイルに変えてもらえる、ついでにバックアップもとってもらえる」ということをモチベーションにして、権利者にライセンス料を支払わせるモデルになっている。しかもプラットフォーム的に全てAppleの手中にある。Amazonで買ったファイルだってなんだって、Appleの手の内に入ることになる。このサービスを使い続ける限り、Appleは当然儲かるだろうし、今までは1ショットで終わっていたライセンス料が、例えば再生回数に応じてずっと権利者のもとに入るようになる。カラオケとかと同じ感じ。これ凄いわ。多分再生されなければライセンス料は払われない気がするので(完全に想像で物言ってる)、その分Apple丸儲け。
年払いプランしか無いのもAppleの戦略だと思う。ちょろっとファイルの変換だけやって解約っていうユーザーがいても、向こう1年分はすでに徴収済みというわけ。

ちなみにAppleのストレージってよく容量足りるよね…だって人がいっぱい来たら音楽ファイルがいっぱいアップロードされてストレージ満タンじゃん…。って一見思えるけど、これも実際は、Appleは楽曲のマスターファイルを持っていることになるので、誰がどの曲を持っているかさえ把握していれば、ダウンロード要求があった時にマスターからコピーしさえすればいい。必要なストレージはものすごく節約できることになる。
例えば、ある曲が100万枚のセールスを記録していて、この100万人がiCloudにこの曲をバックアップしたとする。1曲7.5MBのファイルを100万人がアップロードするわけだから、単純に保存すると7.5TB分のストレージが必要。でも、上の仕組みがあれば7.5MB分で済む。効率は100万倍。(iTunes Storeで取り扱いがある楽曲であればの話)

世の中本当に頭のいい人がおおいな。

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